6月1日から三重県松阪市の3病院が、救急車で運んで入院をしなかったら7,700円を徴収することになりました。
救急出動件数が増加し、救急医療体制が逼迫する懸念が出ていることを受け、軽症者による救急車の利用を抑制する狙いがある、とのことです。いわゆる「コンビニ受診」を減らす狙いがあります。
本件に関して、各方面からは、賛否の声が上がっています。
概要
有料対象となる3基幹病院
- 済生会松阪総合病院(朝日町一区)
- 松阪中央総合病院(川井町)
- 松阪市民病院(殿町)
適応除外
学校での熱中症や交通事故などは徴収されません。
救急出動件数(2022年度)
松阪市は、全国同規模の自治体消防組織と比べても突出して多いです。
- 松阪地区:1万5539回(人口1万人あたり793回)。
- 鈴鹿市消防本部:1万755回(同547回)
- 埼玉県熊谷市消防本部:1万658回(同551回)
救急車の出動経費
救急車が1回出動するにあたってかかる費用は、人件費・ガソリン代・メンテナンス代・車内診療や治療のための医療器具代、計約45,000円ほどかかります。
諸外国も有料なのか?
有料、無料、どちらの方が多いとは言えない状況です。
- アメリカ:約4万円
- イギリス:無料
- メキシコ:無料
- ドイツ:2〜7万円
- イタリア:無料
- オーストラリア:0〜16万円
- フランス:8,000円〜
- 香港:無料
- 中国:1,000円前後
救急車を呼ぶか迷ったら
東京消防庁の管轄区域となりますが、専用の相談窓口を設けています。
有料化へ進むことの是非
私の母親は後期高齢者ですが、つい最近までまで一戸建てに独りで住み生活しておりました。
現在は、介護施設へ入居しております。
母が独り住まいの頃、「足が痛い」「腰が痛い」と何かにつけ救急車を呼び、病院へ行く足代わりに救急車を使用していたような状況も多々ありました。
私とは遠方に住んでいたこともあり、思ったようなケアができず、独りだったため必要以上に救急車を要請していたかもしれません。
似たような状況の方も多いのではないでしょうか。
「今までのように無料であるべきだ」「いや財政が逼迫しているので有料にするべきだ」等々いろいろな意見があると思いますが、今後、有料化を打ち出す自治体が増えていくことは、致し方ないのではないか、と思っております。
一人一人が救急車の適正な利用を意識して、本当に必要な場合にすぐに駆け付けられる、そんな状況を目指したいものです。