
捜査情報が、捜査対象の犯罪グループ側に筒抜けになっていました。
警視庁暴力団対策課の警部補・神保大輔容疑者(43)が、スカウトグループ「ナチュラル」に捜査カメラの画像などを漏洩したとして逮捕されました。
捜査チームの一員だった警察官がなぜ裏切ったのか、金品授受の疑いも含めて事件の全容を解説します。
事件の概要

- 逮捕者: 警視庁 暴力団対策課の警部補、神保大輔(じんぼ だいすけ)容疑者(43)。
- 容疑: 地方公務員法違反(守秘義務違反)。
- 漏洩先: 全国最大規模の風俗スカウトグループ「ナチュラル」(匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」と認定)。
- 背景: 神保容疑者は、この「ナチュラル」を捜査する警視庁の捜査チームの一員(捜査担当者)だった。
- 漏洩内容(4月~5月): 捜査対象の動向把握のため警視庁が設置した捜査用カメラの画像や位置情報を、スマートフォンのアプリ(ナチュラル独自のアプリ)を通じてナチュラル側に提供した疑い。
- 動機: 警視庁は、情報漏洩の見返りに金品を受け取った可能性も視野に捜査している。
- 漏洩先「ナチュラル」について:
- メンバー約1500人、2022年の年間売上(紹介料)は約44億~45億円。
- 暴力団(住吉会系)幹部との間でみかじめ料の授受があったとされる。
- 警察を「ウイルス」と呼び、警察官の顔を共有する独自アプリを開発・使用していた。
犯行動機
警視庁は、神保容疑者が、情報漏洩(提供)の見返りに金品を受け取った可能性も視野に捜査しています。
犯行現場
本事件においては、特に犯行現場というものが特定される性質の事件ではありません。
本事件で想定される刑罰・量刑

法律上の規定と一般的な傾向に基づき、想定される刑罰と量刑の考え方を解説します。
これはあくまで一般論であり、最終的な刑罰は、今後の捜査で確定する事実(金品の授受の有無・額、漏洩した情報の具体的な内容、組織的捜査への影響度など)に基づき、裁判官が判断します。
1. 逮捕容疑と法定刑
まず、現時点での逮捕容疑は地方公務員法違反(守秘義務違反)」です。
- 法定刑: 1年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
2. 今後の捜査で問われる可能性のある重罪(加重収賄罪)
報道では「金品を受け取った可能性もあるとみて調べている」とされています。
もし、神保容疑者がスカウトグループ「ナチュラル」側から情報漏洩の見返りとして金品(賄賂)を受け取っていたことが立証された場合、罪名は格段に重くなります。
- 想定される罪名:加重収賄罪(刑法第197条の3)
- (公務員が、依頼(請託)を受けて賄賂を受け取り、それによって「不正な行為(=捜査情報の漏洩)」をした場合に成立します)
- 法定刑: 1年以上の有期懲役(1年以上20年以下)
3. 量刑の考え方
今回の事件は、単なる守秘義務違反を超え、警察組織の信頼を根底から揺るがす極めて悪質な「裏切り行為」と見なされます。
考慮される要素(非常に重くなる点)
- 警察官(警部補)という立場
法を守るべき警察官、それも部下を指導する立場の警部補による犯行である点は、最も重い情状となります。 - 所属部署(暴力団対策課)
暴力団やトクリュウといった反社会的勢力・犯罪組織と対峙する、高度な機密性が求められる部署での犯行です。 - 捜査チームの一員という立場
自らが担当する捜査チームの内部情報を、まさにその捜査対象(ナチュラル)に直接漏らしています。
これは捜査全体を妨害・頓挫させる背信行為です。 - 漏洩した情報の内容
「捜査用カメラの画像・位置情報」は、捜査の核心に触れる最重要機密の一つです。 - 動機(金品目的の場合)
もし金品目的(収賄)であった場合、動機は最も悪質と判断されます。
4. 想定される刑罰の見通し
今後の捜査の進展によって、2つのパターンが考えられます。
パターンA:守秘義務違反のみで起訴された場合
(金品授受が立証できなかった、あるいは無償だった場合)
法定刑は「1年以下の懲役」ですが、上記で挙げた悪質性の高さから、単なる罰金刑で済む可能性は極めて低いです。
警察官の犯罪は一般より厳しく罰せられる傾向が強く、懲役刑(例:懲役1年)に執行猶予(例:3年)が付く可能性が高いと見られます。
パターンB:加重収賄罪で起訴された場合
(金品授受が立証された場合)
法定刑は「1年以上の有期懲役」となり、実刑(刑務所に収監される)の可能性が非常に高くなります。
警察官が捜査対象の犯罪組織から金銭を受け取り捜査情報を漏らす行為は、司法制度と警察組織への信頼を破壊する最悪の犯罪の一つです。
受け取った金額や捜査への妨害の程度にもよりますが、実刑判決(例:懲役1年6ヶ月~3年程度)が下されることも十分に想定されます。
5. 刑事罰以外の処分(行政処分)
刑事裁判の結果(実刑か執行猶予か)に関わらず、神保容疑者は警視庁(地方公務員)として、最も重い行政処分を受けます。
捜査対象への情報漏洩、ましてや収賄が疑われる事案は懲戒処分の基準において最も重く、「懲戒免職」(クビ)となることは確実です。
神保大輔容疑者の勤務先
神保容疑者は、警視庁 暴力団対策課の警部補です。
神保大輔容疑者の自宅住所
現時点では不明です。
今後の捜査の進展や裁判で明らかになると思われます。
詳細判明次第、追記いたします。
神保大輔容疑者の家族構成
43歳という年齢から既に結婚していて妻や子供がいる、あるいは独身で一人住まい、まだ両親と同居している、などが考えられます。
神保大輔容疑者のプロフィール・学歴
現時点では不明です。
今後の捜査の進展や裁判で明らかになると思われます。
詳細判明次第、追記いたします。
以下に一般的に警察官が「警部補」になるための経歴や学歴について解説します。
今回の容疑者(神保容疑者)は警視庁の所属ですので、いわゆる「ノンキャリア(地方公務員)」の警察官です。
彼らの昇任ルートは、国家公務員総合職試験を通った「キャリア組」とは全く異なります。
警部補になるための一般的な道筋(ノンキャリア)
結論から言うと、警部補になるには学歴そのものよりも、採用後の「昇任試験」に合格し続けることが必須です。
ただし、学歴(大卒か高卒か)によって、その昇任試験を受けるまでに必要な実務経験年数が異なり、昇任のスピードに差が出ます。
階級の順序と昇任試験
警察官は採用されると全員「巡査」からスタートします。
そこから「警部補」になるには、2回の関門があります。
- 巡査(スタート)↓
- 巡査部長(最初の昇任試験に合格)↓
- 警部補(2回目の昇任試験に合格)
学歴による「昇任スピード」の違い
「大卒(I類など)」か「高卒(III類など)」かで、最初の「巡査部長昇任試験」を受けられるようになるまでの最短年数が異なります。
注: 必要な年数は各都道府県警(警視庁含む)によって若干異なりますが、以下は一般的な目安です。
1. 巡査部長になるまで
- 大卒程度(I類など)で採用された場合:
- 採用後、最短約2年の実務経験で「巡査部長昇任試験」の受験資格を得られます。
- 高卒程度(III類など)で採用された場合:
- 採用後、最短約4年~6年の実務経験で「巡査部長昇任試験」の受験資格を得られます。
2. 警部補になるまで
無事に「巡査部長」になると、次は「警部補昇任試験」の受験資格を得る必要があります。これも学歴で差がつく場合があります。
- 大卒程度(I類など)の場合:
- 巡査部長昇任後、最短約2~3年で「警部補昇任試験」の受験資格を得られます。
- 高卒程度(III類など)の場合:
- 巡査部長昇任後、最短約3~4年で「警部補昇任試験」の受験資格を得られます。
まとめ:警部補になるには
- 学歴:
「大卒」である必要は必ずしもありませんが、大卒の方が昇任試験を早く受ける権利を得られるため、早く出世できる(警部補になれる)可能性が高いです。 - 経歴:
警部補になるには、採用後に「巡査部長昇任試験」と「警部補昇任試験」という2つの非常に難しい筆記試験や面接(選考)に合格しなければなりません。
試験に合格せず、勤務年数だけで自動的に昇任することはありません。 - 今回の容疑者(43歳・警部補):
43歳で警部補という経歴は、ノンキャリアの警察官としては標準的、あるいは順調に出世していたキャリアパスと言えます。
【例外】キャリア組の場合
ちなみに、東大卒などがニュースになる「キャリア組」(国家公務員総合職試験で警察庁に入庁した人)は、全く仕組みが違います。
彼らは採用された時点で階級が「警部補」からスタートします。
その後は試験なしで、一定期間ごとに自動的に昇任していきます。
今回の容疑者はこのルートではありません。
神保大輔容疑者のSNS
facebookには同姓同名のアカウントが複数ありましたが、プロフィールから判断するといずれも別人と思われます。
Xには同姓同名のアカウントが複数ありましたが、特定できておりません。
Instagramに同姓同名のアカウントはありませんでした。
仮名で登録されている可能性もあります。
あるいは、SNSを活用していないことも想定されます。
SNSの声

本事件に関して、SNSに寄せられた声をまとめました。
- 警察官の質への懸念:
最も共感を集めたコメントは、警察官の「なり手不足」や「競争倍率の低下」により、今後このような(腐敗した)警察官が増えるのではないかと懸念している。 - 「昔からあった」という指摘(氷山の一角):
「なり手不足」説に対し、「昔から(昭和の時代から)暴力団と警察の癒着はあった」「氷山の一角だ」という反論が多数寄せられている。
暴力団対策課(マル暴)の刑事が捜査対象と親しくなり「ミイラ取りがミイラになる」のは珍しくないと見られている。 - 動機の憶測:
情報漏洩の見返りとして、金品を受け取っていたのではないかという推測が大半を占めている。
次いで、ハニートラップや何らかの弱みを握られた可能性も指摘されている。 - 捜査手法に関する議論:
- 重要な情報を幹部だけで管理すべきという意見に対し、「末端の捜査員に情報を共有しなければ現場の捜査(家宅捜索など)は行き詰まる」という現実的な反論が出ている。
- 昭和の時代は、警察と暴力団が情報交換や(摘発のための)手打ちをしていた、といったコメントもある。
- 重要な情報を幹部だけで管理すべきという意見に対し、「末端の捜査員に情報を共有しなければ現場の捜査(家宅捜索など)は行き詰まる」という現実的な反論が出ている。
- 警察への不信感と矛盾の指摘:
- 「警察は日常的にマスコミ(報道機関)には家宅捜索(ガサ入れ)の情報をリークしているのに、それは逮捕されないのか」と、警察の二重基準や情報管理の甘さを皮肉る声が目立つ。
- 刑事ドラマやVシネマのような「腐敗した警察官」が現実にも存在することに、失望や驚きを示すコメントが多い。
- 「警察は日常的にマスコミ(報道機関)には家宅捜索(ガサ入れ)の情報をリークしているのに、それは逮捕されないのか」と、警察の二重基準や情報管理の甘さを皮肉る声が目立つ。
本事件のまとめ
- 警視庁 暴力団対策課の警部補、神保大輔(じんぼ だいすけ)容疑者(43)が逮捕された。
- 容疑は地方公務員法違反(守秘義務違反)。
- 全国最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏らした疑い。
- 神保容疑者は、この「ナチュラル」を捜査するチームの一員だった。
- 警視庁は、見返りとして金品を受け取った可能性も捜査している。

今後の捜査の進展を見守りたいと思います。














