声優、アーティスト、俳優として、その中性的な魅力と「天使の歌声」と称される圧倒的なハイトーンボイスで多くのファンを魅了する蒼井翔太さん。
彼が「誰」であるかを知るには、その華やかな活躍の裏にある壮絶な過去と、二度のデビューという特異な経歴を紐解く必要があります。
この記事を読めば、以下の点が分かります。
- 蒼井翔太さんの基本的なプロフィールと本名
- 深刻なイジメによる不登校という壮絶な学生時代
- 歌手「SHOWTA.」としてのデビューから声優「蒼井翔太」として再デビューするまでの経歴
- 声優・アーティストとしての主な代表作と最新の活動
蒼井翔太とは誰か？その多才な経歴の概要
蒼井翔太（あおい しょうた）さんは、福井県出身の1987年8月11日生まれ、株式会社S所属の男性声優、歌手、俳優です。
彼が「誰」であるかを端的に表すならば、「唯一無二の声と表現力を持つマルチタレント」と言えるでしょう。
その最大の武器は、女性キーをも難なく歌いこなす驚異的な音域と、聴く者を惹きつける高く透き通った声質です。
この声を生かし、声優としてはもちろん、アーティストとしても数多くのヒット曲を生み出しています。
また、その中性的な美しいビジュアルから、舞台俳優やテレビドラマへの出演、さらにはバラエティ番組でも独特の存在感を放っています。
しかし、彼がこれほどまでに多くの人々を惹きつける理由は、単なる多才さだけではありません。
現在の華やかな姿からは想像もつかないほどの困難な過去を乗り越え、自らの夢を掴み取ったという深い背景が、彼の表現活動に説得力と輝きを与えています。
まずは、彼の基本的なプロフィールを見てみましょう。
| 項目 | 詳細 |
| 芸名 | 蒼井 翔太（あおい しょうた） |
| 本名 | 柳川 翔太（やながわ しょうた） |
| 旧芸名 | SHOWTA. / 柳ヶ木 昇（りゅうがき のぼる） |
| 生年月日 | 1987年8月11日 |
| 年齢 | 38歳（2025年11月現在） |
| 出身地 | 福井県福井市 |
| 身長 | 174cm |
| 血液型 | B型 |
| 職業 | 声優、歌手、俳優 |
| 所属事務所 | 株式会社S |
| 趣味・特技 | 美容、絵を描くこと、硬式テニス、ダンス |
蒼井翔太を形成した経歴の詳細｜壮絶な学生時代から再デビューまで
現在の蒼井翔太さんを形成する上で欠かせないのが、彼の学生時代と、一度目のデビュー、そして挫折という経歴です。
学歴とテニスに打ち込んだ幼少期
蒼井翔太さんの出身小学校は、地元福井市の公立校である福井市立日之出小学校です。
その後、福井市立成和中学校に進学しました。
家族構成は両親とお姉さんの4人家族。幼少期は物静かな少年だったと語られています。
そんな彼が情熱を注いだのがテニスでした。小学校3年生の頃から地元のテニスクラブに通い始め、その才能を開花させます。
小学校時代から「トヨタジュニアテニストーナメント」をはじめとする全国大会に出場するほどの実力者でした。
中学校でもテニスはスクールで継続。中学1年生の時には、テレビ番組の企画で松岡修造さんが主宰する「テニス塾」に、全国から選ばれた塾生の一人として参加しています。
この1週間の合宿は非常に厳しいもので、蒼井さん自身も「心をえぐられた」と語るほどでしたが、多くを学んだ経験となりました。
後に芸能界入りしてから松岡さんと再会した際、松岡さんは当時のことを覚えており、現在も蒼井さんを応援しているという温かいエピソードが残っています。
中学時代にもテニスで全国大会出場の経験を持つ彼は、その後、テニスの推薦入学で私立の北陸高校に進学することになります。
壮絶な過去｜イジメによる不登校の経験
輝かしいテニスの経歴とは裏腹に、蒼井翔太さんの学生時代は非常に困難なものでした。
彼は、小学校3年生の時から深刻なイジメが原因で不登校になったことを告白しています。
物静かな性格や、もともと持っていた高い声質が、イジメの対象となったのかもしれません。
その状態は深刻で、小学校卒業までの登校日数はトータルで1ヶ月にも満たなかったといいます。
現在の明るい姿からは想像もつかないほどの壮絶な経験です。
蒼井さん自身は当時を振り返り、
学校に行けていないことは決して美談ではないし、良いことではない
そのせいでたくさんの人に迷惑をかけたし、両親にもたくさん心配をかけた
と語っており、家族への負い目を抱えていたことがうかがえます。
この辛い時期、彼を支えたものが二つありました。
一つはテニス、そしてもう一つが「歌」です。
不登校だった当時、唯一の友達とカラオケに行った際、彼の歌声を聞いた友達が「いい声だね」と褒めてくれたそうです。
この一言が、彼の心に光を灯し、歌手を目指す大きなきっかけとなりました。
テニス推薦での高校進学と転機（北陸高校）
地元福井県の私立・北陸高校には、テニスのスポーツ推薦で進学しました。
北陸高校はコースによって偏差値が42から62と幅広く、蒼井さんがどのコースに在籍していたかは不明ですが、テニス特待生としての入学でした。
高校でも硬式テニス部に在籍し、部活動に打ち込みます。
高校1年生の秋の新人戦では、団体戦で県大会準優勝を果たすなど、主力選手として活躍していました。
ちなみに、中学校時代にはテニススクールと並行して、バレーボール部にも入部していた時期があります。
しかし、テニスで培った姿勢がバレーボールのプレイ中に出てしまうことがあり、わずか3ヶ月ほどで退部しています。
その際、部のキャプテンだった先輩が、孤立しがちだった蒼井さんに優しく接してくれたことが、今でも心に残る良い思い出だと語っています。
歌手への道｜「SHOWTA.」としてのデビュー経歴
高校1年生の時、彼の人生を決定づける出来事が起こります。
地元の夏祭りで開催されるカラオケ大会のオーディションに合格したのです。
しかし、不運にも当日は豪雨でお祭りが中止となってしまいました。
ところが、そのオーディションのスタッフが彼の才能を惜しみ、ヤマハ主催の音楽コンテスト「TEEN’S MUSIC FESTIVAL」への出場を勧めます。
度胸試しのつもりで出場したこの大会で、蒼井さんは見事に東海北陸大会でグランプリを獲得し、全国大会への切符を手にします。
全国大会での受賞は逃したものの、大勢の観客の前で歌い、拍手喝采を浴びた経験は、彼に強烈な衝撃を与えました。
「これがやりたい」と確信した瞬間でした。
大会終了後、彼はスカウトされ、芸能事務所に所属。
本格的に歌手を目指すことを決意します。
そして、高校1年生の終わりで北陸高校を中退。福井を離れ、上京しました。
レッスンに励んだ後、2006年、19歳の時に「SHOWTA.」という芸名で、ファーストシングル「願い星」でメジャーデビューを果たします。
この時、俳優の岡田将生さんがミュージックビデオに出演したことでも話題となりました。
挫折と転機｜「蒼井翔太」としての再出発
「SHOWTA.」としてデビューしたものの、彼の道のりは順風満帆ではありませんでした。
類まれなハイトーンボイスで注目を集めましたが、彼自身が本当にやりたかったのは、幼い頃から好きだったアニメやゲームに関わる仕事でした。
しかし、事務所の方針もあり、その夢を実現することはできませんでした。
自身の目指す方向性とのギャップに悩み抜いた末、2010年に所属事務所を離れ、一度は「SHOWTA.」としての活動を休止します。
しかし、夢を諦めきれなかった彼は、アニソン歌手・声優になるという目標を胸に、アルバイトをしながら声優の勉強を始めます。
この時期、「柳ヶ木昇」という名義を使っていたこともあります。
そして2011年、現在の所属事務所である株式会社S（現在は株式会社アリア・エンターテインメントと合併）と契約。
「蒼井翔太」として、新たなスタートを切りました。
同年、ゲーム「Black Robinia」で声優としてデビューを果たします。
現在の蒼井翔太の経歴｜声優・アーティストとしての確固たる地位
「蒼井翔太」としての再デビュー後、彼の才能はアニメ・ゲーム業界で一気に開花します。
声優としてのブレイクと主な代表作
2011年、アニメ「君と僕。」の松下隆之介役でテレビアニメデビュー。
劇中歌も担当し、その歌唱力と演技力が注目を集め始めます。
彼の人気を決定づけたのは、大ヒットシリーズ
でした。
ミステリアスな美少年アイドルの役柄と、彼の持つ透明感のある声、そして高い歌唱力が見事に融合し、一躍トップ声優の仲間入りを果たします。
以降、その唯一無二の声質を武器に、数多くの人気作品で重要なキャラクターを演じています。
主なアニメ・ゲーム出演作品
- 『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズ（美風藍）
- 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』（ジオルド・スティアート）
- 『KING OF PRISM』シリーズ（如月ルヰ）
- 『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ（カリオストロ）
- 『ディズニー ツイステッドワンダーランド』（オルト・シュラウド）
- 『妖怪学校の先生はじめました!』（たかはし明）
- 『美男高校地球防衛部ハイカラ!』（鳥居若生言葉）
- 『ポプテピピック』（本人役・実写出演）
特に『ポプテピピック』での実写出演は、声優の枠を超えた活動として大きな話題となりました。
アーティスト・俳優としての多岐にわたる活動
声優業と並行し、2013年にはミニアルバム「ブルーバード」で「蒼井翔太」としてアーティストデビュー。
“天使の歌声”と称される歌唱力はアニソン界でも高く評価され、自身のライブも精力的に行っています。
2024年12月にはパシフィコ横浜で「蒼井翔太 LIVE 2024 WONDER lab. Collage」を開催し、2025年6月にはその模様を収録したBlu-rayが発売されるなど、アーティスト活動も非常に活発です。
さらに、その活躍は舞台にも及びます。
ミュージカル「PERSONA3」への出演や、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season1ではトニー役を演じました。
2025年にも音楽朗読劇「陰陽師」で安倍晴明役を務めるなど、俳優としてのキャリアも着実に積み上げています。
2019年にはテレビドラマ「REAL FAKE」に、「国民的歌姫」という女性役で出演。
その中性的な魅力を存分に発揮し、お茶の間にも衝撃を与えました。
イジメによる不登校という壮絶な過去を乗り越え、一度の挫折を経て、自らの夢であった「アニメやゲームに関わる仕事」で唯一無二の地位を築いた蒼井翔太さん。
彼の経歴は、困難から逃げずに夢を追い続けることの尊さを体現しています。
まとめ：【何者】蒼井翔太って誰？経歴は？壮絶な過去から唯一無二の存在に
蒼井翔太さん、その特異な経歴をまとめます。
- 蒼井翔太は、声優・歌手・俳優として活躍するマルチタレントであり、本名は柳川翔太です。
- 小学校時代にイジメが原因で不登校（登校日数1ヶ月未満）という壮絶な過去を経験しました。
- 学生時代はテニスの全国大会に出場する実力者で、高校へもスポーツ推薦で進学しました。
- 高校中退後、2006年に「SHOWTA.」として歌手デビューするも、夢を叶えるために2010年に活動を休止。
- 2011年、「蒼井翔太」として声優デビューを果たし、『うたの☆プリンスさまっ♪』の美風藍役で大ブレイクしました。
- 現在は声優業に加え、アーティストとしてのライブ活動や、俳優として舞台・ドラマでも活躍し、その地位を確立しています。
今後のご活躍を期待します。
