10月10日(金)に日本での劇場公開を予定していた映画『M3GAN/ミーガン 2.0』、公式から公開中止とのアナウンスがありました。
SNSでは「なぜ中止になったのか?」と話題になっています。
そこで、公開中止となった理由を過去の事例をもとに検証していきたいと思います。
目次
過去に公開中止となった事例
映画が「公開直前で劇場公開中止」になるのは非常に稀ですが、いくつか実際にあった事例があります。
以下に代表的なものを、中止理由とともに紹介します。
1. 『ザ・インタビュー』(The Interview, 2014年 / アメリカ)
中止理由:北朝鮮によるサイバー攻撃と脅迫
- 内容:北朝鮮の金正恩総書記を暗殺するという風刺コメディ。
- 事件:北朝鮮を名指しした内容が原因で、ソニー・ピクチャーズが大規模なハッキング被害を受ける。
- 公開状況:一度は大手劇場チェーンが公開を取りやめ、全米公開中止が決定。その後、一部のインディペンデント劇場やネット配信(YouTube、Google Play)で限定公開された。
2. 『花筐/HANAGATAMI』(大林宣彦監督, 2017年 / 日本)※上映館で公開中止
中止理由:出演俳優の不祥事(性的暴行疑惑)
- 内容:戦争をテーマにした青春映画。
- 問題:出演者の1人に性的暴行疑惑が報道され、複数の映画館が自主的に上映中止を決定。
- 公開状況:全国公開は継続されたが、一部劇場での上映は中止になった。
3. 『クマとたび』(Bear and the Road, 2023年 / アメリカ)※日本公開中止
中止理由:日本の配給会社が突然契約を解消
- 内容:家族向けのロードムービー。
- 問題:配給会社が突然公開を取りやめ、理由を公表しなかった(憶測では声優交代問題や契約不備)。
- 公開状況:パンフレットや劇場広告まで出ていたが、日本では劇場公開されなかった。
4. 『All the Money in the World』(リドリー・スコット監督, 2017年 / アメリカ)※再撮影の末に公開
中止未遂理由:主演俳優ケヴィン・スペイシーの性的暴行疑惑
- 状況:公開直前にスペイシーがスキャンダルで降板。
- 対応:リドリー・スコット監督が異例の再撮影を行い、スペイシーの出演部分をすべてクリストファー・プラマーで撮り直し、予定通り公開。
5. 『The Day the Clown Cried』(ジェリー・ルイス監督、1972年 / アメリカ)
中止理由:著作権問題と倫理的懸念
- 内容:ホロコーストを背景にしたピエロの物語。非常にデリケートな題材。
- 問題:原作の著作権問題と、内容が不謹慎だと批判されたため、ルイス自身が公開を拒否。
- 公開状況:一度も正式公開されておらず、幻の映画とされる。
過去に公開中止となった理由のまとめ
- 出演者の不祥事や犯罪: 出演者が事件やスキャンダルを起こし、作品のイメージダウンやコンプライアンス上の問題から公開が中止・延期になるケースです。
- 制作側の都合: 制作会社の経営破綻、権利関係のトラブル、制作スケジュールの問題など、内部事情が原因で公開が中止になる場合があります。
- 社会情勢・政治的な理由: 政治的な圧力や社会的な批判により、特定の内容を含む作品の上映が禁止されることがあります。
- 災害など予期せぬ事態: 地震や台風などの自然災害、あるいはパンデミックのような予期せぬ事態により、劇場公開が困難となり、中止や延期になることがあります。
「M3GAN/ミーガン 2.0」が公開中止となった理由の考察
「M3GAN/ミーガン 2.0」の日本での劇場公開中止について、明確な公式説明はありません。
ただし、以下のような背景から考えられる複数の理由があります。
実際、ファンや業界関係者が指摘している点も踏まえて整理しました。
📌 考えられる中止となった理由
- 北米・世界での興行成績が振るわなかった
公開直後の世界興行収入が約3,700万ドルで、製作費15〜25 Mドルに対して大きく期待を下回っていたことが影響したのかもしれません 。
日本公開準備時点で成功の見込みが薄いと判断された可能性があります。 - ジャンル変更とマーケティングのミスマッチ
前作はホラー/コメディだったのに対し、本作ではSFアクションへと軸を変えていたことが、観客に響かなかったとされます 。
加えて、プロモーションが作品のトーンと合致せず、混乱を招いた指摘もあります。 - 公開時期の競合が強すぎた
夏商戦に『ジュラシック・ワールド リバース』『F1』『スーパーマン』など大型作品が次々と公開され、埋もれてしまったという声も多いです 。 - 配給判断として採算が取れないと判断された可能性
reddit(アメリカ合衆国の掲示板型ソーシャルニュースサイト)上では「ほとんど誰も観に行かないと最初から予想された」という意見も見られます。 - 翻訳・吹替などの準備コストに見合わないと判断された可能性
翻訳対応や宣伝費、配給ライン構築などのコストに対して利回りが見込めないと判断された可能性があります。redditでも「もっと費用(予算)が必要だった」というコメントがあります。
✅ まとめ
以下に、映画「M3GAN/ミーガン 2.0」の公開が中止された理由(推察)をまとめました。
中止理由 | 内容 |
---|---|
興行成績不振 | 世界での興行が低迷し、日本での集客も見込めないと判断 |
ジャンル変更と宣伝不一致 | アクション寄りへの変更とプロモーションとのミスマッチが混乱を招いた可能性 |
強力な競合作品 | 夏公開による大作との競争により注目されないと判断 |
配給コストとの不均衡 | 翻訳・吹替・宣伝の費用に対し採算が合わないと判断 |
ファンや業界からの予測 | 「誰も観に行かない」との声があったことで、早期判断につながった可能性 |
以上のような複合的要因が重なり、日本での上映中止に至ったと推測されます。
残念ながら公式からは「理解をお願いする」といったシンプルな案内にとどまっており、明確な理由は公表されていません 。

今回の公開中止は、楽しみしていた多くのファンがとても残念に思っています。
いつしか時を経て、「上映可能となった」という吉報を目にすることを期待しております!!