福岡県警は、女性を盗撮したとして県警捜査1課の男性警視(51)を県迷惑行為防止条例違反の疑いで福岡区検に書類送検しました。
容疑者は停職3カ月の懲戒処分になりましたが、依願退職しました。
事件の詳細を追っていきたいと思います。
事件の概要

- 福岡県警の捜査1課検視官室長、田中浩司警視(51)が、電車内で女性を盗撮した疑い(県迷惑行為防止条例違反)で書類送検され、停職3カ月の懲戒処分を受けました。
- 田中警視は23日付で依願退職しています。
- 容疑は6月、福岡市地下鉄の車内で10代女子大学生や20代女性の太ももなどをスマートフォンで撮影(または撮影しようと)したというものです。
- 県警の女性職員からの相談をきっかけに発覚し、警視のスマホからは女性2千人以上を撮影した画像・動画が約3900件見つかりました。
- 警視は「性的欲求を満たすためだった」と容疑を認めており、過去には性犯罪捜査の特捜班長を務めていました。
- 福岡県警では、9月にも刑事部長がセクハラで辞職するなど、幹部の不祥事が相次いでいます。
犯行動機・容疑の認否
田中容疑者は「性的欲求を満たすためだった」と容疑を認めています。
本事件で想定される刑罰・量刑

2023年7月13日に施行された新しい国の法律「撮影罪(正式名:性的な姿態を撮影する行為等の処罰並びにその被害の防止及びその被害者の支援に関する法律)」が適用されるのが通常です。
1. 適用される刑罰:「撮影罪」
2023年の法改正により、盗撮行為は従来の「迷惑行為防止条例違反」から、国の統一された「撮影罪」へと厳罰化されました。
- 撮影罪の刑罰:3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金
「県迷惑行為防止条例違反の疑い」と報道されていますが、これには二つの可能性が考えられます。
- 報道記者が法改正を正確に反映せず、古い呼称(盗撮=条例違反)で書いている可能性。
- (可能性は低いですが)検察や警察が、「下着などは確認されなかった」点などから、「撮影罪」の構成要件(=性的な姿態)の立証を避け、あえて従来の「条例違反」で立件した可能性。
いずれにせよ、2025年現在の性的撮影事件は、主に「撮影罪」によって処罰されます。
2. 想定される量刑(判決の見込み)
この事件では、検察が「厳重処分の意見」を付けて書類送検しており、単なる罰金で済ませる略式起訴ではなく、正式な裁判(公判請求)になる可能性が非常に高いです。
裁判になった場合、以下の点が考慮されます。
- 重くなる要素(悪質性)
- 極度の常習性:スマホから2千人以上、3900点もの画像・動画が発見されており、極めて悪質と判断されます。
- 公務員(警察官)という立場:市民の模範となるべき警察官、それも幹部(警視)であること。
- 職務経歴:過去に「性犯罪の捜査班長」を務めていたという、強い背信行為。
- 極度の常習性:スマホから2千人以上、3900点もの画像・動画が発見されており、極めて悪質と判断されます。
- 軽くなる要素(反省)
- 容疑を認めている。
- 依願退職(社会的制裁を受けている)。
- 容疑を認めている。
結論としての量刑見込み:
これだけの悪質な要素が揃っているため、罰金刑で済む可能性は極めて低いです。
最も可能性が高いのは、
「懲役刑の執行猶予付き判決」(例:懲役1年6ヶ月~2年、執行猶予3年など)です。
ただし、
(1)被害者数の多さ、
(2)警察幹部という立場の重さ、
(3)元性犯罪捜査班長という職務への裏切り、
という点を裁判所が特に重く見れば、執行猶予が付かない「実刑判決」(実際に刑務所に入る)となる可能性も十分に考えられます。
田中浩司容疑者の勤務先

田中容疑者は、福岡県警の捜査1課検視官室長で警視です。
田中浩司容疑者の自宅住所
現時点では不明です。
今後の捜査の進展や裁判で明らかになると思われます。
田中浩司容疑者の家族構成
現時点では不明です。
年齢が51歳であることから、妻や子供がいる可能性が高いです。
田中浩司容疑者のプロフィール・学歴
福岡県警の捜査1課検視官室長で警視であることから一般的には以下のような学歴が想定されます。
警視(けいし)という階級と51歳という年齢、そして所属(捜査1課の室長)から学歴を推測する場合、日本の警察のキャリアシステムを理解する必要があります。
結論から言うと、この警視は「ノンキャリア」または「準キャリア」である可能性が極めて高く、その場合の最終学歴は「高等学校卒業」または「大学卒業」のいずれかだと考えられます。
特定の大学を推測することはできませんが、キャリアパスから学歴の「区分」を推測することは可能です。
警察のキャリアパスと学歴
日本の警察官の採用区分は、主に以下の3つに分かれています。
1. キャリア(国家公務員総合職)
- 学歴:
事実上、東京大学、京都大学などの最難関国立大学や、早稲田・慶應などのトップ私立大学の卒業生がほとんどです。 - 試験:
国家公務員総合職試験(旧・国家I種)に合格し、警察庁に採用されます。 - 昇進:
非常に速い。20代で警視になります。 - 今回のケース:
該当しない可能性が極めて高いです。
- 51歳で「警視」という階級は、キャリア組としては昇進が遅すぎます。
キャリア組であれば、50代前半は通常、警視長(けいしちょう)や警視監(けいしかん)といった、さらに上の階級(警察署長や県警本部長クラス)に就いています。
- 51歳で「警視」という階級は、キャリア組としては昇進が遅すぎます。
2. 準キャリア(国家公務員一般職)
- 学歴:
大学卒業が条件となります。 - 試験:
国家公務員一般職試験(旧・国家II種)に合格し、警察庁に採用されます。 - 昇進:
キャリアより遅く、ノンキャリアより速い。 - 今回のケース:
可能性はあります。
51歳で警視という階級は、準キャリアの昇進スピードとして標準的です。
3. ノンキャリア(地方公務員)
- 学歴:
「大卒程度」「高卒程度」など、採用試験の区分によります。大学卒業でも高等学校卒業でも、この区分になります。 - 試験:
福岡県警など、各都道府県の警察官採用試験に合格し、採用されます。 - 昇進:
実力と昇進試験によって決まります。最も人数が多い層です。 - 今回のケース:
最も可能性が高いと考えられます。
- ノンキャリアで「警視」まで昇進するのは非常に優秀であり、出世コースと言えます。
捜査1課の室長というポストは、まさに現場叩き上げのエースが就く役職です。
51歳で警視(ノンキャリアの昇進上限に近い階級)になるのは、非常に順調なキャリアパスです。
- ノンキャリアで「警視」まで昇進するのは非常に優秀であり、出世コースと言えます。
検視官室長という役職について
「検視官」という役職は、事件性を判断するために遺体の状況を調査する専門職ですが、医師(法医学者)である必要はありません。
- 検視官は、刑事(警察官)が研修を受けて就く職務です。
- 「検視官室長」は、その検視官たちを束ねる責任者です。
- 記事にあるように、性犯罪捜査の特捜班長などを歴任していることからも、彼が医師ではなく、長年刑事畑を歩んできた生え抜きの警察官であることがわかります。
結論
以上のことから、この警視の学歴として考えられるのは以下のいずれかです。
- 高等学校卒業(ノンキャリアとして採用され、実力で警視まで昇進)
- 大学卒業(ノンキャリア、または準キャリアとして採用され昇進)
いずれにせよ、いわゆる「キャリア組」特有の超エリート大学(東大・京大など)卒である可能性は低く、現場で叩き上げられてきた人物像が浮かび上がります。
田中浩司容疑者のSNS
X、Instagramには同姓同名のアカウントが多数あり、特定できていません。
SNSの声

SNSに寄せられたコメントを要約しました。
- 処分の甘さへの批判
- 多くのコメントが、警察幹部(警視)が2000人以上を盗撮したにもかかわらず、処分が「停職3カ月」に過ぎない点を「甘すぎる」「異常だ」と強く批判しています。
- 「即刻懲戒免職にすべきだ」「一般人なら逮捕される」という意見が多数を占めています。
- 多くのコメントが、警察幹部(警視)が2000人以上を盗撮したにもかかわらず、処分が「停職3カ月」に過ぎない点を「甘すぎる」「異常だ」と強く批判しています。
- 退職金支給への不満と疑問
- 「懲戒免職」ではなく「辞職」となっているため、退職金が満額(またはほぼ満額)支給されるのではないか、という怒りや疑問の声が上がっています。
- これに対し、「停職処分を受けているため減額されるはずだ」「有罪が確定すれば懲戒免職になるのでは」といった議論もなされています。
- 「懲戒免職」ではなく「辞職」となっているため、退職金が満額(またはほぼ満額)支給されるのではないか、という怒りや疑問の声が上がっています。
- 警察の「身内に甘い」体質への不信感
- 警察が実名を公表しなかったこと(記事では関係者筋として実名が出ていますが)に対し、「隠蔽体質だ」「不信感が増す」との批判が集中しています。
- 「教員などの他の公務員は実名報道されるのに、警察だけが守られるのはおかしい」という指摘もあります。
- 警察が実名を公表しなかったこと(記事では関係者筋として実名が出ていますが)に対し、「隠蔽体質だ」「不信感が増す」との批判が集中しています。
- 元「性犯罪捜査班長」という経歴への衝撃
- 容疑者が過去に性犯罪の捜査を担う特捜班長だった事実に、「ぞっとする」「被害者を利用していた可能性はないか」と、その職務への裏切りに対する強い嫌悪感が示されています。
- 「検視官室長」という役職から、「遺体に対しても何かしていたのではないか」と懸念する声も上がっています。
- 容疑者が過去に性犯罪の捜査を担う特捜班長だった事実に、「ぞっとする」「被害者を利用していた可能性はないか」と、その職務への裏切りに対する強い嫌悪感が示されています。
- 警察組織全体への信頼失墜
- 「福岡県警は何のためにあるのか」「真面目な警察官が気の毒だ」と、相次ぐ幹部の不祥事による警察組織全体への信頼失墜を嘆く意見が多く見られます。
- 「福岡県警は何のためにあるのか」「真面目な警察官が気の毒だ」と、相次ぐ幹部の不祥事による警察組織全体への信頼失墜を嘆く意見が多く見られます。
本事件のまとめ
- 福岡県警の捜査1課警視(51)が、女性2千人以上を盗撮した疑いで書類送検されました。
- 警視のスマホからは、計約3900点の画像や動画(被害者2千人超)が見つかりました。
- 容疑者は「性的欲求を満たすためだった」と容疑を認めています。
- この警視は、過去に性犯罪の捜査を担う特捜班長を務めていた経歴がありました。
- 警視は停職3カ月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職しました。

今後の捜査を見守りたいと思います。

















