
「自分の通院に急いでいた」――。
奈良県安堵町で起きたひき逃げ事件、そのあまりに身勝手な動機に日本中が言葉を失っています。
集団登校中の小学生ら3人を次々とはねて逃走した72歳容疑者の行動と、再燃する高齢ドライバー問題について整理しました。
事件の概要

- 事件の概要
- 12月16日午前7時半すぎ、奈良県安堵町で乗用車が次々と人と接触し、そのまま逃走したひき逃げ事件。
- 被疑者
- 同町の無職・岸本義孝容疑者(72)。
- 被害状況と経緯
- 1件目の接触:信号のない横断歩道を集団登校していた列に接触。
- 小学1年生の女児(7):右足首を開放骨折する重傷。
- 引率の男性教諭(62):左肩打撲などの軽傷。
- 2件目の接触:現場から逃走中、約300~350メートル先で自転車を追い越そうとして接触。
- 自転車の女性(42):転倒し、顔面打撲などの軽傷。
- 1件目の接触:信号のない横断歩道を集団登校していた列に接触。
- 逮捕のきっかけ
- 目撃情報や、付近を走行していた車のドライブレコーダー映像から容疑車両を特定し逮捕に至った。
- 動機・供述
- 容疑を認めており、「自分の通院に急いでいたので、その場から立ち去ってしまった」と供述している。
事故原因・動機
詳しい状況は不明ですが、前方不注意などが考えられます。
尚、岸本容疑者は、容疑を認めており、「自分の通院に急いでいたので、その場から立ち去ってしまった」と供述しています。
その他詳細は、今後の捜査の進展や裁判で明らかになると思われます。
事故現場

奈良県安堵町です。
本事件で想定される刑罰・量刑

今回の事件(ひき逃げ・過失運転致死傷)において、法的に想定される罪名と、実務上の量刑相場について解説します。
※あくまで一般的な法律知識と過去の判例傾向に基づく推測であり、最終的な判決を断定するものではありません。
1. 適用される主な罪名と法定刑
今回のケースでは、以下の2つの罪が成立し、併合罪(へいごうざい)として処理される可能性が高いです。
- 過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法 第5条)
- 内容: 運転上の不注意により人を死傷させる行為。
- 法定刑: 7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金。
- 救護義務違反・報告義務違反(道路交通法 第72条、第117条)
- 内容: いわゆる「ひき逃げ」。負傷者を救護せず、警察へ報告せずに現場を立ち去る行為。
- 法定刑: 10年以下の懲役、または100万円以下の罰金。
これらが併合されると、最も重い罪(この場合は救護義務違反の10年)の1.5倍まで懲役刑の上限が引き上げられますが、実務上はそこまで重くなることは稀です。
2. 量刑を左右するポイント
裁判では以下の要素が考慮されます。
【刑を重くする要素(悪質性)】
- 被害の大きさ:
3人が死傷。特に7歳女児の「開放骨折」は後遺症のリスクもある重傷であり、非常に重く見られます。 - 逃走の態様:
一度ひき逃げをした後、さらに逃走中に別の自転車をはねて再び逃げている(二重のひき逃げ)。
「通院に急いでいた」という身勝手な動機と合わせ、規範意識の低さが指摘されます。 - 場所:
横断歩道上の歩行者優先義務違反であること。
【刑を軽くする要素(情状)】
- 示談の成立:
被害者3名(特に重傷の女児側)との示談が成立するか、被害弁償が済んでいるか。 - 反省の態度:
容疑を認めている点。 - 前科の有無:
初犯であれば有利に働きます。 - 年齢:
72歳という高齢であること。
3. 想定される量刑(判決の予測)
過去の同種事案の傾向から推測すると、以下の範囲が考えられます。
- 検察側の求刑: 懲役 2年 ~ 3年
- 判決(言い渡し): 懲役 1年6ヶ月 ~ 2年6ヶ月
執行猶予(刑務所に行かなくて済むか)の可能性
- 可能性あり(五分五分〜やや高い):
本人が高齢であること、前科がなければ、「懲役○年・執行猶予3年〜5年」という判決になる可能性が高いです。 - 実刑のリスク:
ただし、「逃走中にさらに事故を起こして逃げた」という点が極めて悪質と判断された場合、あるいは被害者感情が強く示談が難航した場合は、執行猶予がつかない実刑判決になる可能性もゼロではありません。
4. 行政処分(免許について)
刑事罰とは別に、運転免許に対する行政処分は非常に重くなります。
- 免許取消:
確実です。 - 欠格期間(免許を再取得できない期間):
「ひき逃げ(35点)」+「不注意による事故(付加点数)」で、最低でも3年〜数年以上の欠格期間となる見込みです。
事実上、免許の再取得は極めて困難になります。
岸本義孝容疑者の勤務先
岸本容疑者は、無職です。
岸本義孝容疑者の自宅住所
奈良県生駒郡安堵町
岸本義孝容疑者の家族構成
岸本容疑者は、72歳という高齢であることから
- 妻や成人した子供がいる、孫がいる。
- 「独身で一人住まい」の可能性もある。
などが考えられます。
岸本義孝容疑者のプロフィール・学歴
現時点では不明です。
今後の捜査の進展や裁判で明らかになると思われます。
詳細判明次第、追記いたします。
岸本義孝容疑者のSNS
- Instagram:
同姓同名のアカウントはありませんでした。 - X:
同姓同名のアカウントはありませんでした。 - facebook:
同姓同名のアカウントが1件ありました。
現時点では、特定できておりません。
その他、仮名で登録されている可能性もあります。
あるいは、高齢なのでSNSを活用していないことも想定されます。
SNSの声

本事件に関して、SNSに寄せられた声をまとめました。
容疑者の言動(言い訳)に対する怒りと呆れ
- 「自分の通院のために、ひいた被害者(子供含む)を放置して逃げるなど言語道断」「自己中心的すぎる」といった強い憤りが殺到している。
- 「急いでいた」はひき逃げの理由にならず、逃げた時点で悪質であり、救護義務を果たしていないことへの批判が集中。
- 池袋の暴走事故などを想起し、高齢者が自分の都合を優先して他人の命を軽視する傾向への懸念。
免許制度・法改正への強い要望
- 定年制・強制返納の導入: 一定年齢(70歳など)を超えたら強制的に免許を返納させる、あるいは更新できないようにするべきという意見。
- 更新試験の厳格化: 現在の講習はザルであり、毎年認知症検査や厳しい実技試験を行うべき。一度失効させて、乗りたいなら一から取り直させるべきなどの案。
- 厳罰化: 「パニックだった」「認知症」などを理由に減刑(不起訴や執行猶予)せず、ひき逃げは一律実刑にすべきという声。
被害者への同情と補償への懸念
- 7歳女児の「開放骨折」という大怪我に対し、心を痛める声が多い。
- 年金生活者の場合、賠償能力がない恐れがあるため、高齢ドライバーへの任意保険加入義務化を求める意見。
その他の指摘
- 運転技術の全体的な低下: 高齢者に限らず、スマホ操作や心の余裕のなさなど、ドライバー全体の質が落ちているという指摘。
- 技術・インフラ: 自動ブレーキや暴走抑制機能の義務化、または通院しなくて済むようオンライン診療や電話診療を普及させるべきという意見。
本事件のまとめ
- 12月16日朝、奈良県安堵町で72歳の男が集団登校中の児童らを車ではねた。
- 横断歩道で小1女児と引率教員が被害に遭い、女児は右足首開放骨折の重傷を負った。
- 男は救護せずに逃走し、さらに約300m先で自転車の女性もはねて転倒させた。
- 立て続けに事故を起こしながら現場を立ち去り、計3人が負傷した。
- ドライブレコーダーや目撃情報から車両が特定され、男は同日夜に逮捕された。
- 容疑者は「自分の通院に急いでいたので立ち去った」と供述し、容疑を認めている。
- 人命救助よりも自身の通院を優先した身勝手な動機に、世論の怒りが集中している。
- 警察はひき逃げ(救護義務違反)および過失運転致死傷の疑いで捜査を進めている。
- ネット上では高齢者の免許返納義務化や更新厳格化を求める声が相次いだ。
- 女児の深刻な怪我に対し、執行猶予なしの実刑判決を望む声が多く上がっている。

今後の捜査の進展を見守りたいと思います。
















