
福岡県須恵町の中学校で発覚した、偽造教員免許による不正採用事件。
初公判で起訴内容を認めた男は、過去にわいせつ行為で免許を失いながら、養子縁組で名前を変えて20年も教育現場に潜伏していました。
制度の抜け穴を悪用し、子供たちの近くにい続けた被告の驚愕の手口と裁判の行方をまとめます。
事件・裁判の概要

裁判の概要
- 福岡地裁で17日、偽造有印公文書行使の罪に問われた中学校補助教員・近藤正仁被告(66)の初公判が開かれた。
- 被告は起訴内容を認め、弁護側も事実関係を争わない姿勢を示した。
事件の内容
- 被告は2021年3月に福岡県篠栗町の小学校、2025年1月に須恵町の中学校の採用試験において、偽造した「岐阜県教育委員会」発行の教員免許状の写しを提出した。
- 補助教員に免許は必須ではないが、免許保持者は時給が高くなるため偽造したとみられる。
被告の背景と手口
- 免許の失効: 2005年に当時の姓(古畑)で、児童買春などのわいせつ行為により教員免許を失効していた。
- 制度の悪用: 免許失効者のデータベースが旧姓でしか検索できない抜け穴を悪用し、養子縁組などで改姓(古畑→近藤など)を繰り返して過去を隠蔽していた。
- 常習性: 免許失効後も山口、大阪、埼玉、群馬などで無免許での勤務を繰り返していた。
- 勤務中の問題行動: 須恵町の中学校勤務中も、女子生徒への「エロく見える」といった発言や、更衣室を覗くなどの不審な行動が報告されていた。
社会的な背景・課題
- 教員不足: 深刻な人手不足により、学校現場が応募者の経歴確認を十分に行えず、こうした不正に対して脆弱になっている。
- 制度の限界: 2026年から性犯罪歴を確認する「日本版DBS」が導入される予定だが、対象犯罪の範囲や照会期間の制限など、課題が残っている。
犯行動機

近藤被告の犯行動機は以下の通りです。
- 時給を高くするため(直接的な動機)
- 補助教員の仕事自体は教員免許が必須ではありませんが、免許を持っている場合は時給が高く設定される仕組みだったため、偽造した免許証を提出しました。(検察側の指摘)
- 教育現場で働くことへの執着
- 過去にわいせつ行為で免許を失効していましたが、「失効後も教育関係の仕事に就きたい」と考え、発覚を免れるために養子縁組をして改姓するなど、教職に強く執着していました。
- (背景にあるとみられる)女子生徒への性的関心
- 勤務中、女子生徒に「エロく見える」と声をかけたり、更衣室を覗いたりするなどの問題行動が報告されています。
また、過去の免許失効理由も児童買春などであったことから、子供と接する環境を求めていたことが背景にあるとみられます。
- 勤務中、女子生徒に「エロく見える」と声をかけたり、更衣室を覗いたりするなどの問題行動が報告されています。
本事件で想定される刑罰・量刑

この事件で問われている「偽造有印公文書行使罪」に基づき、法的な観点と過去の判例傾向から想定される刑罰・量刑は以下の通りです。
1. 適用される罪名と法定刑
- 罪名: 偽造有印公文書行使罪(刑法第158条・第155条)
- ※自ら偽造した文書を行使(提出)しているため、偽造有印公文書偽造罪もあわせて問われるのが一般的です。
- 法定刑:1年以上10年以下の懲役
- ポイント: この罪には「罰金刑」がありません。起訴された時点で、無罪にならない限り「懲役刑(執行猶予含む)」となります。
公文書の社会的信用を損なうため、私文書偽造よりも重い罪です。
- ポイント: この罪には「罰金刑」がありません。起訴された時点で、無罪にならない限り「懲役刑(執行猶予含む)」となります。
2. 量刑に影響を与える要素(情状面)
この事件では、被告に不利な「加重事由」が多く見受けられます。
- 常習性と悪質性(不利):
- 今回だけでなく、過去にも山口、大阪、埼玉、群馬などで同様の偽造・行使を繰り返しています。
- 養子縁組による改姓を悪用し、意図的かつ計画的に制度の抜け穴を突いています。
- 動機(不利):
- 「時給を上げるため」という利欲的な目的と、「過去のわいせつ事案による免許失効を隠す」という隠蔽工作が含まれており、動機は身勝手かつ悪質と判断されやすいです。
- 社会的影響(不利):
- 児童・生徒の安全を守るべき学校現場に対する信頼を著しく損ないました。
- 罪の認定(有利):
- 初公判で起訴内容を認めており、反省の弁を述べている点は考慮されます。
3. 想定される量刑(予測)
過去の同種事件や上記背景を考慮すると、以下の量刑が予想されます。
- 求刑(検察側の要求): 懲役 2年 ~ 3年 程度
- 判決(裁判所の決定): 懲役 1年6ヶ月 ~ 2年6ヶ月 程度
4. 「実刑」か「執行猶予」か
ここが最大の焦点となります。
- 実刑(刑務所行き)の可能性が高い理由:
- 犯行が長期間かつ広域にわたる常習犯であること。
- 過去に有罪判決(記事には道交法違反や買春等の記載あり)を受けており、反省が見られないこと。
- 子供を対象とする性犯罪歴を隠して学校現場に入り込んでおり、潜在的な危険性が高かったこと。
- 執行猶予の可能性:
- もし直近の前科から十分な期間(5年以上など)が空いており、今回の件で深く反省し、更生環境が整っていると判断されれば、執行猶予が付く可能性もゼロではありません。
単なる免許偽造ではなく、「性犯罪歴の隠蔽」と「常習的な偽造」が組み合わさっているため、裁判所は重く見る可能性が高く、執行猶予のつかない実刑判決となる可能性も十分に考えられます。
※これはあくまで一般的な法律知識と記事情報に基づく予測であり、実際の判決は公判での証拠調べや被告人の前科の詳細によって決定されます。
近藤正仁容疑者の勤務先
福岡県須恵町立須恵中学校になります。
近藤正仁容疑者の家族構成
近藤容疑者は、66歳という年齢であることから
- 結婚していて、妻や成人した子供がいる、孫がいる可能性がある。
- または、独身で一人住まい。
- あるいは、年老いた両親と同居している
などが考えられます。
近藤正仁容疑者のプロフィール・経歴・学歴
プロフィール
- 氏名: 近藤 正仁(こんどう まさひと)
- 年齢: 66歳(2025年11月・12月報道時点)
- 住所: 福岡県糟屋郡宇美町
- 旧姓・偽名:
- 古畑(ふるはた): 出生時の名字。この姓の時代に正規の教員免許を取得。
- 橋本(はしもと): 2017年頃、宮崎県で講師職を得るために使用。
- ※養子縁組などで改姓を繰り返し、過去の懲戒免職歴や犯罪歴の照会(旧姓検索)をすり抜けていました。
学歴・資格
- 高校:
- 福岡県須恵町(勤務先)の隣町にある地元の高校を卒業。
- 柔道部に所属しており、当時は「大人しい生徒」という印象を持たれていました。
- 大学:
- 高校卒業後、3年間の浪人生活(三浪)を経て大学に進学。
- 資格:
- 1985年(昭和60年):正規の教員免許(中学校教諭・数学)を取得。
- ※今回提出した「岐阜県教育委員会」発行の免許は偽造ですが、かつては自力で正規の免許を取得していました。
職歴・経歴のタイムライン
近藤被告のキャリアは、正規の教員時代と、免許失効後の偽造教員時代に大別されます。
【1. 正規教員時代】
- 1985年以降:
- 福岡市内の中学校などで数学教師として勤務。
当時の教え子からは「熱心で生徒思いの先生だった」との証言もあります。
- 福岡市内の中学校などで数学教師として勤務。
【2. 免許失効と転落】
- 2005年(平成17年)頃:
- 当時の姓(古畑)で、女子中学生への買春容疑での逮捕や、道路交通法違反での有罪判決を受け、教員免許を失効しました。
【3. 偽造免許・偽名による勤務(潜伏期間)】
免許失効後、約20年間にわたり全国各地の学校現場を転々としていました。
- 2005年~2014年頃:
- 山口、大阪、埼玉、群馬などの学校で、無免許あるいは偽造免許を使用し勤務。
- 2014年(平成26年):
- 福岡県内で「近藤」姓で数学講師に応募し、免許偽造が見抜かれ逮捕される。
- 2017年(平成29年):
- 宮崎県で「橋本」姓を名乗り、講師登録を試みるが発覚。
- 2021年4月~2025年3月:
- 福岡県篠栗町の小学校にて「特別支援教育支援員」として勤務(時給を上げるため偽造免許の写しを提出)。
- 2025年4月~10月(逮捕):
- 福岡県須恵町の中学校にて「補助教員」として勤務。
- 勤務態度(女子生徒への不適切な発言や覗き見行為)が問題視され、保護者からの通報をきっかけに過去の犯罪歴と免許偽造が発覚。
近藤正仁容疑者のSNS
- Instagram:
同姓同名のアカウントが複数ありました。 - X:
同姓同名のアカウントが複数ありました。 - facebook:
同姓同名のアカウントが複数ありました。
現時点では、特定できておりません。
その他、仮名で登録されている可能性もあります。
あるいは、SNSを活用していないことも想定されます。
SNSの声

本事件に関して、SNSに寄せられた声をまとめました。
制度の不備と対策案
- マイナンバーの活用: 教員免許などの国家資格とマイナンバーを紐付ければ、偽造やなりすましを防げるはずだという意見が複数ありました。
- 管理体制への批判: 偽造免許を見抜けない行政や学校のチェック体制が「ザル(抜け穴だらけ)」であると批判され、全国の教員の再チェックを求める声もありました。
被告の動機と報道への疑問
- 性犯罪の隠蔽: 「時給のため」という報道よりも、過去の買春や逮捕歴を隠すために養子縁組で改姓し、システムをすり抜けた点こそ問題視すべきだという指摘があります。
- 動機の解釈: 「教育の仕事がしたい」のではなく、自身の欲望や趣味を満たすために学校に入り込んだのではないかと疑われています。
処罰についての意見
- 厳罰化: 執行猶予ではなく、実刑判決を望む声が上がっています。
- 給与の返還: 資格がない状態で勤務していたため、受け取った給料を全額返還すべきだという意見があります。
その他の疑問
- 偽造の精巧さの問題なのか、採用側の確認不足なのか疑問視する声や、実際に授業を行っていたのかを気にする声もありました。
本事件のまとめ
- 福岡地裁で17日、偽造免許行使の罪に問われた近藤正仁被告(66)の初公判が開かれた。
- 被告は起訴内容を全面的に認め、弁護側も事実関係を争わない方針を示した。
- 時給を上げる目的で、取得事実のない「岐阜県教委」名の偽造免許の写しを提出した。
- 2005年に児童買春等のわいせつ行為により、本来の教員免許(旧姓・古畑)を失効していた。
- 養子縁組で改姓を繰り返し、旧姓でしか検索できない失効者データベースの穴を悪用した。
- 約20年間にわたり、名前や場所を変えながら全国各地の学校で不正勤務を繰り返す常習犯だった。
- 今回の勤務先でも、女子生徒への「エロく見える」等の発言や覗き見行為が問題視されていた。
- 不審に思った保護者がネット検索で過去の逮捕歴を見つけ、学校に通報したことで発覚した。
- 検察側は「金銭目的と教育職への執着」を指摘しており、執行猶予のつかない実刑の可能性がある。
- 学校現場の採用チェックの甘さと、性犯罪歴を隠せてしまう現行制度の不備が浮き彫りになった。

今後の捜査の進展を見守りたいと思います。














