
2025年12月13日に放送された「女芸人No.1決定戦 THE W 2025」が、視聴者の間で大きな議論を呼んでいます。
例年ささやかれる「つまらない」という声に加え、今回初審査員として登場した霜降り明星・粗品さんの容赦ないコメントが波紋を広げつつも、多くの共感を集めているのです。
優勝はベテランのニッチェが輝きましたが、SNSやネット上の話題は完全に粗品さんの「大演説」と「会場の空気」に集中しています。
- THE W 2025が「つまらない」「レベルが低い」と言われてしまっている根本的な原因
- 初審査員の粗品さんが放った「異質な会場」「ウケすぎ」という発言の真意
- なぜ視聴者は粗品さんの厳しいダメ出しに「的を得ている」と称賛を送ったのか
- 特定のコンビ(もめんと等)に対する粗品さんの具体的な指摘内容と採点行動
「THE W 2025」がつまらないと言われる3つの理由

今年で9回目を迎えた「THE W」ですが、放送終了直後から
「つまらない」
「見ていてきつい」
といった厳しい感想がSNSを中心に飛び交いました。
優勝賞金1000万円をかけた大会であるにもかかわらず、なぜこれほどまでにネガティブな評価が定着してしまっているのでしょうか。
その理由は、単にネタの面白さだけでなく、番組全体を包む独特の空気感や構造的な問題にあると考えられます。
1. 視聴者を置き去りにする「優しすぎる会場」の空気
もっとも多くの視聴者が違和感を抱き、「つまらない」と感じてしまう最大の要因は、会場の観客の反応です。
THE Wのスタジオ観覧客は、女性芸人に対して非常に温かく、どんな些細なボケやフリでも大きな笑い声を上げることが恒例となっています。
この「ウケすぎている状態」が、テレビの前で冷静に見ている視聴者との間に大きな温度差を生んでしまうのです。
視聴者が
「どこが面白いの?」
と首をかしげている場面でも、会場では爆笑が起きているため、視聴者は置いてけぼり感を味わうことになります。
この乖離(かいり)が積み重なることで、
「自分たちの感覚がおかしいのか、それとも会場がおかしいのか」
というストレスが生まれ、結果として「番組全体がつまらない」という評価に繋がってしまいます。
2. 賞金1000万円に見合わないネタのクオリティ
厳しい意見になりますが、出場者のネタのクオリティが、M-1グランプリやキングオブコントといった他の主要賞レースと比較して低いという指摘も後を絶ちません。
実際に今回の審査員を務めた粗品さんも、放送後に

「賞金1000万円にしてはレベルの低い大会だった」
とはっきり口にしています。
特に若手や無名の芸人が多く出場するブロックでは、ネタの構成が甘かったり、単なるキャラ押しに終始していたりと、プロの芸として完成されていないパフォーマンスも見受けられました。
視聴者はM-1などのハイレベルな戦いを見慣れているため、どうしても比較対象の基準が高くなってしまいます。
その基準で見ると、THE Wのネタは「学芸会レベル」と揶揄(やゆ)されてしまうこともあり、純粋にお笑い番組としての満足度が下がってしまうのです。
3. ベテランと新人の実力差とマンネリ化
2025年大会の優勝者は、実力派ベテランコンビのニッチェでした。
彼女たちの優勝自体は納得の結果である一方で、大会全体としての「新陳代謝」や「スター発掘」という面では物足りなさを感じさせたのも事実です。
予選を勝ち上がってきたニューカマーたちが、緊張や実力不足で不完全燃焼に終わるケースが目立ちました。
結果として、安定感のあるベテランが順当に勝つという展開は、競技としてのドラマ性に欠け、「ハラハラするような面白さ」が少なかったと言わざるを得ません。
新しい才能が爆発する瞬間を期待していたお笑いファンにとっては、やや消化不良な大会となってしまったことが「つまらない」という感想に拍車をかけました。
粗品の審査コメントが「的を得ている」と絶賛される理由


これまでのTHE Wでは、審査員が女性芸人に配慮してか、当たり障りのない優しいコメントをすることが通例となっていました。
しかし、今回初参戦した粗品さんは、その空気を完全に打破し、視聴者が言いたくても言えなかった「本音」を代弁したことで大きな支持を得ています。
彼の審査スタンスは、まさに「愛のある劇薬」とも言えるものでした。
「異質な会場でした」とタブーに切り込む
粗品さんのコメントで最も視聴者の溜飲を下げたのは、「もめんと」対「電気ジュース」の審査時における発言です。
会場が「もめんと」のネタに対して大爆笑し、他の審査員たちも高評価を下す中、粗品さんはただ一人、対戦相手の「電気ジュース」に票を投じました。
そして、
「ちょっと長くしゃべっていいですか」
と前置きした上で、
「異質な会場でした」
と言い放ったのです。
彼は



「大前提、ウケすぎ。そこまで面白くなかった」
と、会場の異常な盛り上がりを真っ向から否定しました。
これは、長年THE Wの視聴者が抱えていた「なんでそこで笑うの?」というモヤモヤを、審査員席にいる人間が初めて公的に認めた瞬間でした。
この発言により、視聴者は
「やっぱり自分の感覚は間違っていなかった」
と安心し、粗品さんへの信頼が一気に高まったのです。
具体的かつ論理的なダメ出し
粗品さんの批判は、単なる悪口や印象論ではなく、極めて論理的で技術的な指摘に基づいています。
例えば、「もめんと」のコントに対しては、



「前半がフリにしてもおもんなさすぎる」



「前半捨てた分の回収が足りていない」
と、ネタの構造的な欠陥を指摘しました。
また、



「スロースタートすぎる」



「こういうコントの定石は立場の逆転の応酬だが、手を出すのが早かった」
といった具体的な改善点も挙げています。
これまでの審査員が「可愛かった」「世界観が好き」といったふんわりした感想に終始しがちだった中で、粗品さんのコメントは「なぜ面白くないのか」を言語化した講義のような内容でした。
視聴者は、プロの視点からの鋭い分析を聞くことで、なぜ自分が笑えなかったのかを理解し、その解説に納得感(的を得ている感)を覚えたのです。
忖度なしの「お笑い原理主義」
粗品さんは大会前から



「面白くない人には面白くないと言う」
と宣言していましたが、本番でもその姿勢を貫き通しました。
事務所の後輩であっても、会場の空気がどれだけ盛り上がっていても、自分が面白くないと判断すれば容赦なく低い点数をつけ、厳しい言葉を投げかけます。
この「忖度(そんたく)なし」の姿勢は、予定調和なテレビ番組に飽き飽きしていた視聴者に強いカタルシスを与えました。
特にTHE Wは「女性芸人の祭典」という性質上、どうしても甘い評価になりがちでしたが、粗品さんはジェンダーに関係なく「お笑い」という基準だけで審査を行いました。
その公平でストイックな姿勢が、結果として大会の緊張感を高め、
と言われるほどのインパクトを残したのです。
優勝者ニッチェへの評価と審査員たちの反応


激動の大会を制したのは、マセキ芸能社所属のニッチェでした。
数々のバラエティ番組で活躍し、確かな実力を持つ彼女たちの優勝は、荒れた大会を最後に引き締める結果となりました。
ベテランの底力を見せたニッチェ
ニッチェのネタは、演技力、構成力ともに安定しており、他の出場者とは一線を画す完成度を見せつけました。
粗品さんが指摘したような「レベルの低さ」が目立つ大会の中で、彼女たちのパフォーマンスはプロの仕事として安心して見られるものでした。
優勝が決まった瞬間、相方の江上敬子さんは涙を見せましたが、その涙には「若手が注目される中で、ベテランとして結果を出さなければならない」という重圧も含まれていたことでしょう。
視聴者からも「結局、一番笑ったのはニッチェだった」「文句なしの優勝」という声が多く、順当な結果として受け入れられています。
粗品も認めた?優勝者へのコメント
毒舌を振るった粗品さんですが、ニッチェに対しては一定の敬意を払っていました。
最終決戦に残った3組に対して



「これからも活躍してほしい」
とエールを送り、ニッチェの優勝が決まった際には



「おめでとうございます」
と祝福の言葉を述べています。
ただし、大会総評として



「賞金1000万円にしてはレベルが低い」
と釘を刺すことも忘れませんでした。
これはニッチェ個人への批判というよりは、お笑い界全体、あるいはこの大会の出場者全体に向けた「もっとレベルを上げろ」という彼なりの激励と受け取れます。
ニッチェ側も、粗品さんの厳しい総評に対して
「ビビってはいなかった」
「的を得ている」
とコメントしており、芸人同士のリスペクトがある上での厳しい審査だったことがうかがえます。
「THE W」は今後どう変わるべきか


THE W 2025は、粗品さんという「劇薬」を投入したことで、良くも悪くも大きな注目を集めました。
「つまらない」という批判は依然として根強いものの、議論が巻き起こったこと自体は、大会にとって変化の兆しかもしれません。
審査基準の明確化と会場の空気作り
今後の課題として浮き彫りになったのは、やはり審査基準と会場の空気作りです。
粗品さんが指摘したように、観客が過剰に笑う環境は、正しい審査の妨げになる可能性があります。
M-1グランプリのように、ある程度お笑いに精通した観客を入れる、あるいは審査員が会場の空気に流されないような仕組みを強化する必要があるでしょう。
また、審査員も「優しさ」だけでなく、粗品さんのように「厳しさ」を持ってネタを評価することで、出場者のレベルアップを促すことが求められます。
「女芸人」という枠組みの是非
THE Wが開催されるたびに議論になるのが、「女性芸人限定」という大会の意義です。
今回のように「レベルが低い」と指摘される背景には、母数が少ない中で無理に大会を開催しているという側面も否定できません。
しかし、女性ならではの視点や、男性芸人にはない笑いのスタイルがあることも事実です。
今後は「女性だから」という甘えを許さず、純粋に「面白いネタ」だけが評価される大会へと進化していく必要があります。
粗品さんの今回の行動は、THE Wを「仲良しクラブ」から「真の賞レース」へと脱皮させるための荒療治だったのかもしれません。
まとめ:【THE W 2025】つまらない?粗品の辛口審査が「的を得ている」と共感される理由
- THE W 2025がつまらないと言われる主因は、会場の過剰な笑いと視聴者の冷めた感情の乖離にある。
- 賞金1000万円という規模に対し、出場者のネタのクオリティ不足を指摘する声が多い。
- 優勝はベテランのニッチェで納得の結果だったが、新人の不発感が否めない。
- 粗品さんの「異質な会場」「ウケすぎ」という発言は、視聴者のモヤモヤを代弁した。
- 「もめんと」への4分間にわたる説教は、具体的かつ技術的な的確なアドバイスだった。
- 粗品さんは他の審査員に流されず、自分一人が違う評価を下すことも恐れなかった。
- この厳しい審査スタイルが、馴れ合いに見えがちな大会に緊張感をもたらした。
- ニッチェの優勝については、粗品さんも祝福しつつ、大会全体のレベルアップを求めた。
- 今回の騒動は、THE Wが今後「真の実力勝負の場」になるための転換点となる可能性がある。
- 視聴者は「優しさ」よりも、粗品さんのような「本音の審査」を求めていることが証明された。



粗品さんの講評は確かに的を得ていると言わざるを得ません。
今回の騒動をきっかけにTV番組としてどのように方向性を見極めるのか、今後の「THE W」を見守りたいと思います。













