9月1日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、「ユニバーサル・スペクタクル・ナイトパレード ~ベスト・オブ・ハリウッド~」の運営終了を発表しました。
多くのファンが再開を待ち望んでいたにもかかわらず、なぜ、終了となってしまったのでしょうか。
終了せざるを得なかった3つの理由について解説していきたいと思います。
目次
結論

結論から先に申し上げますと、パレードの運営終了は、単なるコスト削減などのネガティブな理由だけではなく、
コロナ禍による長期休止を契機としたパーク全体のエンターテイメント戦略の見直し
未来への投資(新しいアトラクションやショー)に経営資源を集中させるための前向きな判断
であったと考察できます。
USJナイトパレード中止はなぜ?3つの理由を解説

1. 新規プロジェクトへの資源集中
- USJの発表では、運営終了を「ライドやショーのリニューアル・新規追加など、さまざまなプロジェクトが進行」している中の「アトラクション計画の一環」と明確に位置づけています。
- これは、パレードの運営に充てていた資金、人材、開発リソースなどを、今後予定されている新しいエンターテイメントに振り分けるという経営判断があったことを示唆しています。
- 「“NO LIMIT!”なエンターテイメントを創造し、“無限大”に成長、進化し続けていくため」という言葉からも、現状維持ではなく、新しい体験価値の創出を優先したことがわかります。
2. コストの問題
- ナイトパレードは、多数のエンターテイナーの人件費、巨大なフロートやプロジェクションマッピングなど高度な技術の維持・メンテナンス費、光熱費など、運営コストが非常に高いエンターテイメントです。
- 2020年から5年以上という長期間休止していましたが、その間も機材のメンテナンスコストは発生していたと推測されます。
- 再開するには、エンターテイナーの再募集やトレーニング、機材の総点検や修繕など、莫大な「再起動コスト」が必要になります。そのコストをかけて既存のパレードを再開するよりも、同等かそれ以上のコストをかけて全く新しいものを作った方が、ゲストへのインパクトや満足度が高いと判断した可能性があります。
3. 長期休止による影響
- 2020年からの長期休止により、運営ノウハウを持つスタッフの異動や退職、エンターテイナーの離散などが考えられ、以前と同じクオリティで再開するための体制を再構築することが困難になった可能性があります。
- 5年以上という期間が空いたことで、パレードで扱われている映画作品(『トランスフォーマー』など)の鮮度が相対的に落ち、新しい人気コンテンツに入れ替えるべきだという判断がなされたのかもしれません。
パレードの概要(※2018年発表当時の内容)

- フロート順:ハリー・ポッター → トランスフォーマー → ジュラシック・ワールド → ミニオン
- フロート全長:約520m
- 走行時間:約55分
- プロジェクション・マッピング投影面:全長約600mに及ぶ壁面
- 最重量フロート:約25トン
- 最大フロート:高さ8m超
- 総フロート数:15台
- エンターテイナー:約100名
- 制作に関わった人数:1,000人以上
- 制作に関わった国:日本/アメリカ/カナダ/イギリス/ポーランド/フランス/スペイン/オーストリア
引用:PR TIMESより
まとめ:USJナイトパレード中止したのはなぜ?

以上のことから、今回の運営終了は、コロナ禍という外的要因による長期休止が大きなきっかけとなり、その間にパークの経営陣が将来を見据えた結果、「古いものを終了させ、新しい価値を創造する」という未来志向の戦略的決断を下した結果であると考察できます。

運営終了は残念ですが、仕方ないですね。
新しいエンターテイメントに期待しましょう!